虎のソナタ 酷評すれば打つ!?絶賛すれば…フィルダー、ロサリオ…さて今年の助っ人は

(オープン戦、西武2-3阪神、12日、ベルーナD)3球団でヘッドコーチを務めた黒田正宏氏(サンケイスポーツ専属評論家)が「軍師の断」で切れ味鋭く阪神の外国人両投手を分析している(1面)。新しい外国人の実力が見えてくる時期でもある。 【写真】佐藤輝のファウルボールをベンチからバントする阪神・ヘルナンデス 「外国人だけは本番にならないと分からない」 キャンプ中によく耳にする球界OBの評論家、解説者の声。阪神の歴史にも興味深い前例が転がっている。 ほぼ100%の評論家が酷評したフィルダーが猛烈に打ちまくって、本塁打王寸前までの大活躍をしたことがあった。1989年のこと。帰国するとメジャーのホームラン王にまでなった。 逆の例で記憶に新しいのはロサリオ。2018年の春季キャンプは「ロサリオ祭」。170メートル弾をかっ飛ばすし、球団首脳が「こういう外国人をホンモノと言うんです」と豪語したが…。歴史的な失敗助っ人補強だった。 ことしの宜野座でも、タテジマOBのいろんな外国人評を聞いた。 「ヘルナンデスの打撃フォームは、現状では欠点がない。直すところがない」 失敗例を山ほど見てきた立場としては突っ込まざるを得ない。では、大活躍ですか? 「いいフォームだけれど、問題はバットに当たるかどうか?」 そこが一番肝心なのでは…とズッコケてしまった。まあ、外国人が活躍するかどうかの的中率は、開幕前の順位予想と同じぐらいに当たらない。 西武の4番はセデーニョ。2年前に来日直後のオリックスキャンプで取材した。入団会見が終わると、首脳陣の「きょうは見学しろ」という指令を振り切って、マシン打撃を開始。大注目の報道陣の前で、20スイングして、19球空振りだった。残り1球はファウル。1球も前に飛ばなかった。 「新外国人は、こんな感じや。気にしてない。そのうちバットに当たるやろ」 これはオリックス・福良GMの感想。シーズンに入ると打ち始めて、育成契約から支配下選手になり、やがて優勝に貢献するまでに。昨年、チーム最多の15本塁打を放ったのに戦力外になると、得点力不足に悩む西武が契約を結んだ。開幕4番の本命らしい。「外国人は分からない」の典型例だ。 「ベルーナドームの階段が想像以上に急で。ここまでキツイとは。一度昇っただけで息が切れています」